看護師の労働環境について

人員不足や働き方改革などの影響により、看護師の労働環境は変わってきている。しかし、医療機関によってその待遇は様々と言える。より働きやすい職場がある一方、実質的にはあまり変化のない職場があることも否定出来ない。十分に人員が確保出来ている場合には、ゆとりがあるため、個人の状況や要望にも配慮しやすく、労働環境の改善もしやすいものだ。とはいえ、人手不足の状態が続いているのであれば、労働環境の改善を図ってもそれができる環境が整っておらず、なかなか実現することは困難だ。

また、看護師をとりまく環境と言えば医療機関が代表的だが、注意しておきたいのは、その経営状態だ。潤沢な資金があり黒字経営をしているなら、色々な面で改善の余地はあると考えられるが、赤字経営となっていれば、どれだけ志や理念があっても実質的な部分での変化は起こしにくい。というのも、労働環境の改善は、資金の有無に左右されるからだ。看護師の負担を軽くし、色々な働き方を可能にするには、看護師の仕事を減らすことが大切になる。仕事を細分化し、看護師は看護師の仕事のみに従事出来る様、環境を整える。そして、効率よく仕事を進めて行く様に工夫をすれば、働き方の選択肢は増えるものだ。しかし、仕事を簡略化するためのシステムを導入したり、人員を確保したりといったことをするためには資金が必要となる。費用を確保出来れば、労働環境を改善することも可能だが、赤字経営で費用が捻出出来ない場合には、選択肢が限られ、先送りされかねない。経営状態は、職場の労働環境を判断する分かりやすい指標と言えるので、参考にすることが大切だ。